「概念ってよく聞くけれど、正直よく分からない…」と感じたことはありませんか。学校の授業やニュース、仕事の説明などで当たり前のように使われている言葉ですが、いざ意味を聞かれると説明に困ってしまう方も多いと思います。
難しそうに見える理由は、「概念」が目に見える物ではなく、考え方そのものを指す言葉だからです。ただ、私たちは普段から、似ているものをまとめたり、共通点で整理したりしながら物事を理解しています。その延長線上にあるのが「概念」という考え方です。
この記事では、「概念とは何か」を一言で整理したうえで、身近な例を使いながら順番に説明していきます。よく混同されやすい言葉との違いや、日常会話・文章での使い方にも触れていきます。
読み進めるうちに、「概念」は特別な知識ではなく、考えを整理するための身近な道具だと感じられるはずです。初めて調べる方でも、読み終わったときに全体像がつながるよう、できるだけ分かりやすくお伝えしていきます。
概念とは?一言でいうと「共通点でまとめた考え方」
まずは結論から、シンプルに意味を押さえておきましょう。
概念の基本イメージ:バラバラな物事をひとまとめにする枠組み
概念とは、いくつもある物事の中から共通点を抜き出して整理し、ひとつの考え方としてまとめたものを指します。個々の違いに目を向けるのではなく、「共通している部分」に注目するのが大きなポイントです。
たとえば、見た目や性質が少しずつ異なっていても、「ここが似ている」と感じる部分を基準にすることで、同じグループとして扱えるようになります。概念は、そうした共通点を分かりやすくまとめるための“考え方の箱”のような役割を持っています。
形や大きさ、色が違っていても、「似ているポイント」を基準にして同じ仲間として扱うための枠組みだと考えると、イメージしやすくなるでしょう。
辞書的な意味をやさしく言い換えると
辞書では少し堅い表現が使われることが多く、初めて見ると身構えてしまいがちです。ただ、内容をかみ砕いて考えると、特別に難しい意味が書かれているわけではありません。
日常的な感覚に近づけると、「物事を理解しやすくするための整理方法」や「考えをまとめるための枠組み」と言い換えることができます。たくさんの情報や出来事を、そのまま一つずつ覚えるのではなく、共通点ごとにまとめて把握するための考え方だと捉えると分かりやすくなります。
辞書の表現だけを見ると抽象的に感じやすいですが、実際には私たちが普段から無意識に行っている思考の整理を、言葉として説明しているものだと考えると、少し身近に感じられるはずです。
「難しそう」と感じる理由は“抽象”にある
概念は、机や本のように目で見たり手で触れたりできる物ではありません。頭の中で情報をまとめて考えるものなので、どうしてもイメージしにくく感じやすい言葉です。
また、具体的な例が示されないまま説明されると、「結局何の話なのか分からない」と戸惑ってしまうこともあります。これは理解力の問題ではなく、抽象度が高い状態で話が進んでいることが原因です。
具体例とセットで考えたり、身近な出来事に置き換えたりすると、概念はぐっと身近になります。難しそうに感じるのは自然なことなので、最初から完璧に理解しようとしなくても大丈夫です。
例で一気に理解:概念と具体のちがい
言葉だけでは分かりにくいので、具体例で確認してみましょう。
犬という「概念」/柴犬という「種類」/目の前の1匹という「事実」
「犬」という言葉は、たくさんの犬に共通する特徴をまとめた概念です。大きさや毛の色、性格が違っていても、「犬らしさ」という共通点をもとに、ひとつのまとまりとして捉えています。
その中に「柴犬」「プードル」「ゴールデンレトリバー」などの種類があり、これらは犬という概念を、さらに細かく分けた分類になります。そして、実際に目の前にいる一匹の犬は、写真に写っている姿や今の行動を含めた、具体的な事実として存在しています。
このように、概念 → 種類 → 具体的な一つ、という順で考えると、抽象から具体へ段階的に整理できるようになります。
| 分類の段階 | 何を表しているか | 具体例 | イメージしやすいポイント |
|---|---|---|---|
| 概念 | 共通点でまとめた考え方 | 犬 | 種類や個体の違いを含めてまとめて考える |
| 種類 | 概念をさらに分けた分類 | 柴犬・プードルなど | 見た目や特徴で区別できる |
| 事実 | 実際に存在する一つ | 目の前の1匹の犬 | 今見えている姿・行動そのもの |
「オタク」は概念?性質でまとめた言葉の例
「オタク」という言葉も、特定の性質や傾向をまとめた概念です。特定の作品やジャンルそのものを指しているのではなく、好きなことに強く関心を持つ人の特徴や行動を、まとめて表しています。
そのため、好きな分野や活動内容は人によって異なっていても、「オタク」という概念の中に含まれる場合があります。こうした例を見ると、概念は目に見える物だけでなく、人の傾向や考え方にも使われていることが分かります。
日常でよくある勘違いパターン
一つの具体例だけを見て「これが全部」と考えてしまうと、概念として捉えにくくなります。たまたま目にした一例が強く印象に残ると、それが代表的な姿だと思い込んでしまいやすいからです。
本来は複数の例を並べて共通点を見ることで、概念として整理しやすくなります。視野を少し広げて考える意識を持つだけでも、物事をより柔軟に捉えられるようになります。
例文で確認:「概念として考える」「概念が違う」
・この話は、概念として整理すると分かりやすい
→ 個別の出来事を一つずつ追うのではなく、共通点に注目すると全体像が見えやすくなる、という意味で使われています。
・前提となる概念が違うと、話がかみ合いにくい
→ 同じ言葉を使っていても、頭の中で思い描いている枠組みが違うと、意見や理解にズレが生じやすいことを表しています。
このように、「概念」という言葉は、考え方の土台や整理の視点を示す場面で使われることが多いのが特徴です。
概念の正体:なぜ“抽象化”が重要なのか
ここでは、少しだけ考え方の仕組みに触れてみます。
個別の出来事から共通点を抜き出す思考
抽象化とは、細かい違いをいったん横に置き、複数の出来事や対象に共通している部分に注目する考え方です。一つ一つをそのまま覚えるのではなく、「何が同じなのか」「どこが共通しているのか」を見つけることで、情報を整理しやすくなります。
身近な例でも、色や形が少し違っていても、共通点に目を向けることで同じ仲間として捉えられる場面は多くあります。抽象化は、そうした共通点を見つけ出すための大切な視点です。
抽象化できると何が楽になる?
情報をまとめて扱えるようになるため、考えや判断がシンプルになります。細かな違いに振り回されにくくなり、全体の流れやポイントを把握しやすくなるのも特徴です。
また、新しい情報に出会ったときも、すでにある枠組みに当てはめて考えられるため、理解に時間がかかりにくくなります。
概念があるから「似ている・違う」が判断できる
共通点を基準にできることで、違いにも気づきやすくなります。ただ何となく比べるのではなく、「どこが同じで、どこが違うのか」を意識して整理できるようになるため、物事を捉える視点がはっきりしてきます。
この視点が身につくと、似ている部分と異なる部分を落ち着いて見分けられるようになり、判断の迷いも少なくなります。一つ一つを感覚だけで受け取るのではなく、頭の中で整理しながら考えられるようになるのが特徴です。
こうした積み重ねによって、判断や情報整理がしやすくなり、考え方にも余裕が生まれやすくなります。
概念が必要な理由:私たちの思考と会話を支える役割
なぜ私たちは概念を使って考えているのでしょうか。
物事を整理し、判断しやすくする
情報が多い場面でも、頭の中で整理しながら考えられるようになります。ひとつひとつを個別に捉えるのではなく、共通点や全体の流れを意識することで、優先順位をつけやすくなるのも特徴です。
状況をまとめて把握できるようになるため、「今どこが重要なのか」「何を基準に判断すればよいのか」が見えやすくなります。
他人と話が通じるようになる理由
共通の概念を持っていると、細かい説明を省いても意図が伝わりやすくなります。前提となる考え方が共有されていることで、話のポイントを理解しやすくなり、やり取りもスムーズに進みます。
同じ言葉を使っていても、概念がずれていると誤解が生じやすいため、共通の枠組みを意識することが大切です。
考える力・問題整理につながる
複雑な問題も、段階的に整理しやすくなります。いきなり答えを出そうとするのではなく、全体をいくつかの要素に分けて考えられるようになるため、状況を落ち着いて見直しやすくなります。
問題の内容や条件を整理しながら進められることで、「どこでつまずいているのか」「次に考えるべきポイントは何か」が分かりやすくなります。その結果、考えが行き詰まりにくくなり、順序立てて判断できるようになります。
「概念がない」とはどういう状態?よくある誤解
この表現も誤解されやすいポイントです。
言葉を知らないだけ、とは限らない
言葉を知っていても、枠組みとして整理できていない場合があります。用語そのものは聞いたことがあっても、その言葉がどんな共通点をまとめたものなのかを理解できていないと、概念としてうまく使えないことがあるためです。
経験をうまくまとめられていない状態
一つ一つの出来事や経験は理解していても、それらを共通点で結びつけられていない状態を指します。個別の体験としては分かっていても、全体として整理できていないため、似た場面に出会ったときに応用しにくくなることがあります。
前提のズレが起きると会話が噛み合わない
同じ言葉を使っていても、思い浮かべている概念が違うと認識にズレが出ます。お互いに理解しているつもりでも、頭の中で描いている内容が少しずつ異なるため、話がかみ合わなくなってしまうのです。
特に説明や意見交換の場面では、この前提の違いが誤解につながりやすくなります。言葉の意味そのものよりも、「どんな枠組みで捉えているか」を意識することが、すれ違いを減らすポイントになります。
小学生でもわかる!概念の考え方
できるだけ身近な視点で見てみましょう。
子どもはどうやって概念を身につける?
子どもは、まず身の回りにある物の中から「似ているもの」を集めることから、少しずつ概念を身につけていきます。形や色、大きさなど、分かりやすい特徴を手がかりにしながら、「これは同じ仲間だな」と感じ取ることで、自然と理解が深まっていきます。
最初は感覚的な判断でも、経験を重ねるうちに共通点を意識できるようになり、頭の中で整理する力が育っていきます。
たとえ話で説明すると伝わりやすい
いきなり難しい言葉で説明するよりも、具体的なたとえ話から入るほうが伝わりやすくなります。抽象的な説明だけだと想像しにくい内容でも、身近な場面を思い浮かべられると、自然と理解が進みやすくなるためです。
身の回りの物や日常の出来事を例に出しながら話すと、「ああ、あれのことか」とイメージしやすくなります。そのうえで、あとから「共通しているところ」をまとめてあげると、点だった理解が線としてつながり、内容が頭に残りやすくなります。
たとえ話は、考え方の入り口をやさしくしてくれる役割もあります。最初のハードルを下げることで、難しい内容でも前向きに受け止めやすくなります。
家庭でできる簡単な練習方法
身の回りの物を「種類」や「特徴」で分けてみるのがおすすめです。特別な教材を用意しなくても、日常生活の中で十分に練習できます。
たとえば、お菓子や文房具を並べて、「甘い・しょっぱい」「書く物・切る物」といったように共通点ごとに分けてみます。同じお菓子でも味や形に注目したり、文房具なら使い道に注目したりすると、分け方が一つではないことにも気づきやすくなります。
また、洗濯物をたたむときに「服・靴下・タオル」と種類で分けたり、「夏用・冬用」「よく使う・たまに使う」と特徴で分けたりするのも良い練習になります。こうした作業を通して、自然と共通点を意識する力が育っていきます。
正解を求める必要はなく、「どうしてこう分けたのか」を言葉にしてみることが大切です。理由を考えることで、概念として整理する感覚が少しずつ身についていきます。
概念・コンセプト・定義のちがいを整理
似た言葉との違いも整理しておきましょう。
概念とコンセプトの違い
コンセプトは、目的や方向性を意識した中心となる考え方です。何かを企画したり説明したりするときに、「何を大切にしたいのか」「どこを目指しているのか」を示す役割があります。一方、概念は目的の有無に関係なく、共通点で物事をまとめるための枠組みです。考え方の土台として使われる点が特徴といえます。
概念と定義の役割の違い
概念は、物事を大まかに捉えるための枠組みで、定義はその枠組みを言葉で明確に区切る作業だと考えると分かりやすくなります。概念があいまいなままだと、定義を読んでも理解しづらくなることがあります。先に概念をつかんでから定義を見ることで、内容が頭に入りやすくなります。
イメージとの違いで混乱しやすい点
イメージは人それぞれが頭の中で思い描くもので、感じ方や連想する内容に個人差が出やすい特徴があります。一方、概念は共通点をもとに整理されているため、他の人と共有しやすいという違いがあります。この違いを意識しておくと、説明や会話でのすれ違いを防ぎやすくなります。
| 用語 | 何を指しているか | 役割・特徴 | 例 |
|---|---|---|---|
| 概念 | 共通点でまとめた考え方 | 物事を整理するための土台 | 犬、色、役割 |
| コンセプト | 目的や方向性を示す考え | 企画や説明の中心になる | 商品のコンセプト、企画の方針 |
| 定義 | 概念を言葉で区切った説明 | 意味をはっきりさせる | 辞書に書かれている説明 |
| イメージ | 個人が思い浮かべる印象 | 人によって異なりやすい | 「犬」と聞いて思い浮かべる姿 |
文章や会話での「概念」の使い方【例文あり】
実際の使い方も確認してみましょう。
よく使う自然な表現
「概念」は、文章や会話の中で次のように自然に使われることが多い言葉です。具体的な例文とあわせて確認してみましょう。
・概念を理解する
→ この授業では、まず全体の概念を理解することが大切です。
→ 用語を覚える前に、基本となる概念をつかんでおくと学びやすくなります。
・概念を共有する
→ 事前に概念を共有しておくことで、話し合いがスムーズに進みます。
→ チーム内で同じ概念を共有できていないと、認識のズレが生まれやすくなります。
・概念で説明する
→ 細かい手順よりも、まずは概念で説明したほうが伝わりやすい場合もあります。
→ 初心者には、専門的な言葉を並べるより、概念で説明するほうが理解しやすくなります。
このように、「概念」という言葉は、考え方の土台や前提を示したい場面で使うと、無理のない表現になります。
抽象的すぎるNG例と改善例
曖昧な表現は、具体例を添えると伝わりやすくなります。言葉だけでまとめすぎると、聞き手や読み手が何をイメージすればよいのか分からなくなってしまうためです。
たとえば「この仕組みは分かりにくい」という表現だけでは、どこが分かりにくいのかが伝わりません。「手順が多く、最初の流れがつかみにくい」と具体的に言い換えるだけでも、内容がはっきりします。
このように、抽象的な言葉を使ったときは、「具体的にはどういうことか」を一言補う意識を持つと、説明の分かりやすさがぐっと高まります。
学校・仕事・日常での使い分け
場面に応じて、説明の具体度を調整するのがポイントです。学校では学習内容の全体像をつかむために少し抽象的な説明が役立つことがありますが、仕事や日常会話では具体的な例を交えたほうが理解されやすい場合もあります。
相手や状況に合わせて、「どのくらい具体的に話すと伝わりやすいか」を意識することで、無理のないコミュニケーションにつながります。
英語での「概念」:conceptと関連語
英語表現も簡単に触れておきます。
conceptの基本的な使い方
concept は、日本語の「概念」とほぼ同じ意味で使われる英単語です。物事の共通点や考え方の枠組みを表すときに使われます。
たとえば、英語では次のように使われます。
・The concept of time is different for everyone.
(時間の捉え方という概念は、人それぞれ異なります)
・This lesson explains the basic concept of math.
(この授業では、数学の基本的な概念を説明しています)
このように、具体的な物ではなく、「考え方」や「捉え方」を指すときに使われるのが特徴です。日本語の「概念」と同じ感覚で理解すると、意味を取り違えにくくなります。
idea・notionとのニュアンス差
idea や notion も、日本語では「考え」「考え方」と訳されることがありますが、concept とは少しニュアンスが異なります。文脈によって使い分けが必要です。
idea は、思いつきや発想に近い意味で使われることが多く、「ひらめき」や「アイデア」という感覚に近い言葉です。一方、notion はやや曖昧な考えや印象を表すことが多く、はっきり整理されていないイメージを含む場合があります。
それに対して concept は、共通点をもとに整理された考え方を指します。体系的にまとめられた考えを表したいときに使うと、意味が伝わりやすくなります。
翻訳でズレやすいポイント
concept を日本語に訳すときは、抽象のレベル感をそろえることが大切です。直訳だけで置き換えると、意味がずれて伝わってしまうことがあります。
たとえば、英語では広い意味で concept が使われていても、日本語では「考え方」「前提」「捉え方」と言い換えたほうが自然な場合もあります。無理にすべて「概念」と訳すと、文章が硬く感じられることもあります。
前後の文脈を見ながら、「どのくらい抽象的な話をしているのか」を意識して訳すことで、読み手にとって理解しやすい表現になります。
概念が変わると、見え方も変わる
考え方は固定ではありません。
経験や時代で概念は更新される
概念は一度決まったら変わらないものではなく、経験や時代の流れによって少しずつ更新されていきます。かつては当たり前だと考えられていたことが、今では別の捉え方をされるようになるケースも少なくありません。
たとえば、働き方の概念を思い浮かべてみると分かりやすいでしょう。以前は「会社に出社して働くのが基本」という考え方が一般的でしたが、今では在宅や柔軟な働き方も含めて仕事と捉える考え方が広がっています。このように、経験の積み重ねや社会の変化によって、概念そのものが見直されていくことがあります。
ビジネスでの考え方の変化例
ビジネスの場面では、概念の捉え方が変わることで、選択肢や行動の幅が広がることがあります。同じ状況でも、どの概念を基準に考えるかによって判断が変わってくるためです。
たとえば「顧客」という概念を、単に商品を買う人と捉えるのか、長く関係を築く相手と捉えるのかで、対応の仕方は大きく変わります。後者の概念で考えると、短期的な売上だけでなく、継続的な満足や信頼を意識した行動が選ばれやすくなります。
作品や出来事の捉え方が広がる理由
概念を意識して考えるようになると、作品や出来事を一つの見方だけで判断しにくくなります。どの視点で捉えているのかを自覚できるようになるためです。
たとえば、物語を読むときも「登場人物の行動」だけを見るのか、「作品全体が伝えようとしているテーマ」という概念で見るのかによって、感じ方が変わってきます。概念を切り替えることで、新しい意味や気づきが生まれやすくなります。
| 視点 | 概念が変わる前 | 概念が変わった後 |
|---|---|---|
| 働き方 | 出社して働くのが基本 | 場所にとらわれず働く |
| 顧客 | 商品を買う人 | 関係を築く相手 |
| 作品の見方 | 表面的な出来事 | 背景やテーマまで含めて考える |
よくある質問(Q&A)
Q. 概念と考え方は同じですか?
A. 近い意味ではありますが、まったく同じではありません。概念は、いくつかの物事に共通するポイントをまとめた「枠組み」を指します。一方で、考え方は人それぞれの視点や判断のクセも含む、より広い意味で使われることが多い言葉です。概念は、考え方の土台として使われるもの、と捉えると分かりやすくなります。
Q. 抽象とどう違うのですか?
A. 抽象は、具体的な情報から共通点を取り出す「過程」を指します。その結果として形になったまとまりが、概念です。たとえば、いくつかの具体例を比べて共通点を見つける作業が抽象であり、その共通点をまとめた考え方が概念になります。流れで考えると違いが理解しやすくなります。
Q. 子どもに説明するときのコツは?
A. まずは身近な具体例から入ることが大切です。難しい言葉を使うよりも、「似ているものを集めてみよう」といった声かけのほうが伝わりやすくなります。そのあとで、「今やっていたのが概念を考えることだよ」と言葉を補うと、無理なく理解につながります。
Q. 概念は一度覚えたら変わらないものですか?
A. 概念は固定されたものではなく、経験や知識が増えることで変わることもあります。新しい視点を知ったり、別の例に触れたりすると、これまでの概念が少し広がったり、捉え直されたりすることがあります。変わること自体は自然なことで、理解が深まっているサインとも言えます。
Q. 概念を意識すると、日常生活で何が変わりますか?
A. 物事を感覚だけで判断するのではなく、「共通点」や「前提」を意識して考えられるようになります。その結果、話の整理がしやすくなったり、人との認識のズレに気づきやすくなったりします。考え方が少し整うことで、日常のやり取りもスムーズになりやすくなります。
まとめ
「概念」とは、たくさんの物事に共通するポイントをまとめて、考えやすく整理するための枠組みです。冒頭で触れたように、私たちは日常の中で無意識のうちに、似ているものをまとめたり、共通点を意識したりしながら物事を理解しています。その考え方を言葉として整理したものが「概念」です。
犬や色、役割といった身近な例を通して見てきたように、概念は特別な専門知識ではありません。一つ一つを細かく覚えるのではなく、共通する特徴をまとめて捉えることで、情報や考えをすっきり整理しやすくなります。概念を意識できるようになると、話の前提が見えやすくなり、会話や文章の理解もスムーズになります。
最初は抽象的に感じても、具体例とセットで考えることで少しずつ慣れていきます。この記事を読み終えたあと、身の回りの出来事を「どんな共通点でまとめられるだろう」と意識してみてください。冒頭で感じていた疑問が、自然と整理されていくはずです。

